決算審査がスタート!市長の選挙公報で示した成果は不誠実! 〜10/23枚方市議会決算特別委員会

枚方市議会議員 ばんしょう映仁です。

 10月23日からは、枚方市議会 決算特別委員会がスタートし、令和4年度決算の審査を開始しました。

 質疑は、一般会計を総務・教育子育て分野と市民福祉・建設環境分野に分けそれぞれ2日、特別会計・企業会計を1日で行います。

 まず、1日目の本日は総務・教育子育て分野で、委員14名の内、私を含む6名が質疑を行いました。

 

 

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さて、私の質疑項目は下記の通りです。

 

  10月23日 決算特別委員会(総務・教育子育て)質疑項目 
  1. ⇒ 人口動態社会増と市の各種施策との因果関係は本当にあったのか?
  2. 防犯カメラの増設、更新は適切に?
  3. スポーツ振興くじ助成金の有効活用は?
  4. 令和5年2月のスポーツチャレンジフェスタの成果は?
  5. 不登校支援の実践は?
  6. 「子ども見守りシステム」の活用実績は?
  7. 図書館資料購入経費と図書館の文化的取り組みは?

 

本日のブログでは、1つ目の質疑のみの詳細を掲載します。。

市長!選挙公報にこの数字をなぜ実績としたのですか?

⇒ 令和4年人口動態社会増は外国人だった。(日本人は転出超過)
⇒ 市長の実績は何もなかった。

1.人口動態社会増と市の各種施策との因果関係は本当にあったのか?

 

枚方市長選挙の選挙公報(2023年9月3日執行)

 

①ばんしょうの質問

枚方市における人口動態(社会)の推移を見ると令和4年だけ突出して大きな数字になっている

 市長は9月の自身の選挙においては、2期8年間の実績として、人口動態の令和4年までの数字をグラフにして強調しました。その一つである「枚方市における人口動態(社会)の推移」について聞きたい。

 私は平成12年から令和4年(2000年から2022年)までを調べてみたが、プラスになったのは平成19年、21年、令和2年、4年だけで、特に令和4年はその中でも突出してその数字は大きく692人となっていた。この数字について、市長は選挙公報にてグラフで示して、2期8年間の成果が出たのだと実績として掲載していた。

この大きな数字は何に取り組んできたことによるものか?

 それでは、因果関係としてその素晴らしい成果によい影響を与えた取り組みについてどのようなものがあったのか。様々な施策を積み上げた結果と認識されているようですので、具体的なお答えは難しいでしょうから、令和4年に子育て世帯の転入超過に向けて、子育てと教育分野においては、どのような取り組みを行われたのか聞きたい。

 

①市の答弁

子育て世帯の定住促進・人口誘導に繋がる取り組みを行ってきた

 子育て世帯の定住促進・人口誘導に繋がる取り組みとして、新婚等世帯に最大30万円を補助する結婚等新生活支援や、子育て世帯や若者世帯が行う、空き家の建て替えや耐震化リフォームに係る費用を補助する若者世代空き家活用補助といった支援に取り組むとともに、第2子以降の保育料の無償化や、待機児童の解消、全小中学校の児童・生徒に一人1台のタブレットPCの導入など、子育て環境や教育環境の充実に取り組んできた

 また、これら取り組みについて、SNSなどを活用し広く発信するとともに、本市の取り組みが、転居を考えている市外の方にしっかりと届くよう、効果的な情報発信についての検証なども行った

 

②ばんしょうの質問

安心して妊娠出産、子育てできると環境だと思う人が減っている中で、これまでの子育て施策が令和4年の流入増に効いているとは言えないのではないか?

 多くの事業を多額の経費をかけて行っていることは承知している。

 しかしながら、今年8月に、「令和5年度枚方市市民意識調査報告書」が報告されている。その「(14) 安心して妊娠・出産できる環境が整っていると感じている市民の割合」令和元年度と比べて「感じている」「やや感じている」子育て世代は51.6% ⇒42.8%と8.8%減っています。加えて、「(15) 安心して子育てできる環境が整っていると感じている市民の割合」令和元年度と比べて「感じている」「やや感じている」子育て世代は55.7% ⇒45.2%と10.5%減っている。このような結果を見ると、これまでの子育て施策が令和4年の流入に効いているとは言えないのではないでしょうか

ところで、令和4年での692人の社会増の日本人と外国人の内訳は?

 「枚方市における人口動態(社会)の推移」にこだわってお聞きします。先程も言いましたが、令和4年は692人の増となっていますが、内訳として、日本人と外国人を分けた状態では、どのようになっているのかお聞きします。

②市の答弁

日本人は121人の減少、外国人は813人の増加

 人口動態の社会増692人の内訳については、日本人は121人の減少外国人は813人の増加となっている。

 

③ばんしょうの質問

市長の選挙公報のグラフは、このことを知っていて掲載されたんですか??

 令和4年の社会増は、日本人だけでみると、転出超過であったが、外国人の転入超過があったことにより、全体で社会増になったということになる。

 私は外国人が増えることを望んでいる、いない、ということを議論したいのでなく、真実を市民に知ってほしかっただけです。

 市長の選挙公報のグラフは、これを知っていて掲載したんですかね??知らなくて掲載したんですか??(決算審査の質問としてそぐわないと考え、市長の答弁は求めませんでした)

出典:第52回枚方市統計書(令和4年版)

上表では外国人が+812人になっているが、答弁では+813人となっている。そのズレは統計の取り方によるものと思われます。

外国人の社会増は市の政策の結果なんですか?

 それならば、令和4年の外国人の社会増につながる施策としては、どのようなことを行ってきたのか、政策として行ってきた成果なのか?

③市の答弁

外国人の社会増は、留学生の回帰、技能実習制度など国の政策によるもの

 令和4年の社会増につながる施策としては、外国人に特化したものではありませんが、子育てや教育環境の充実をはじめ、本市総合計画のめざすまちの姿である「持続的に発展し、一人ひとりが輝くまち」の実現に向けた様々な施策が当てはまるものと考えている。その中で、外国人の方を対象とするものとして、日本語習得のための支援や、医療通訳士の派遣相談会の実施などに取り組んでいる

 また、本市の外国人人口の動態は、昭和の時代に2,000人規模、平成の時代には3,000人規模まで増加し、平成8年以降は、4,000人規模で推移し、令和4年には5,000人を超えた。

 令和4年の外国人人口の増加は、これまで取り組んできた施策の積み重ねのほか、新型コロナウイルス感染症の影響を受けていた外国人留学生の回帰や、外国人を対象にした技能実習制度など国の政策による影響もあるものと考えている。

 

④ばんしょうの質問

いずれにせよ、任期中の実績として市民に誇れる数字ではない

 本市の外国人支援の取り組みをご披露いただいたが、「文化国際財団」をなくし、「国際」と付く窓口もない枚方市が、外国人にやさしいまちとして世界に知られているとはとても思えません。施策によって枚方が選ばれた訳でないと考えます。

 しつこいようですが、令和4年の692人の社会増については、紛れもなく、外国人の転入超過による影響です。日本人の若い世帯の転入超過よりも、留学生や技能実習などによる外国人の転入超過の影響が大きく、本市施策の効果というよりはむしろ、市内に関西外大を含む5つの大学があることや7つの企業団地が立地するなど本市の特色が功を奏したということではないでしょうか。

 

市長!本当に成果・実績と言えるのですか?

 それでは市長、今回は決算特別委員会ですから、何を目的に市の職員は仕事をし、その成果がどれだけのものだったのかを検証する意味において、この件について、市長の見解を聞いておきたい。

④市長の答弁

近年では若い世帯の転入超過が見られ、様々な施策が徐々に実を結びつつあると考えている

 本市の社会動態については、平成10年に人口40万人を超え、平成11年以降、転出が転入を上回る社会減が続く傾向でしたが、近年では若い世帯の転入超過がみられ、全体として社会減の値は減少傾向となり、令和4年には、増加に転じている

 令和4年の外国人の社会増は、議員お示しのとおり、5大学や7つの企業団地などの貴重なまちの資源による本市の特色、強みが影響しているものと認識しており、引き続き、こうした特色を活かすとともに、国際化施策についても推進していきたいと考えている。

 また、全体的な社会増については、本市の持つ立地特性や地域特性に加えて、これまで取り組んできた子育て・教育施策の充実や、防犯対策の強化、スポーツ・文化・芸術施策の推進、都市基盤の整備など、まちの魅力向上につながる様々な施策を積み重ねてきたことが徐々に実を結びつつあるものと考えている

 

ばんしょうの視点① 「人口動態(社会) 令和4年692人増 の真実」

市長は、都合のいい成り行きの形式的な結果を実績として掲げ、選挙で当選されてしましました。

事実だけでなく、真実をしっかりと直視して頂きたい。

 市長の2期8年だけで達成した数字ではなく、まさか外国人の急増によるものだったとは、よく聞く定番の言い方でいうと、「誤解を生みやすい表現でした。」ということでしょうか

 都合のいい成り行きの形式的な結果を実績として掲げ、選挙で当選されましたが、市長の選挙に対する臨み方としてこれも信用に関わる話ではないですか?非常に罪深いと思います。事実だけでなく、真実をしっかりと直視して頂きたいと思います。

政策評価もせず、やみくもに羅列した施策展開が、市長のいう「挑戦」なのか?

 今後の大きな政策は変わらないかもしれませんが、きちんとした狙いとその向こうにある「持続可能な福祉の街」これが市長が掲げる「挑戦」の行く先で、そこにどのように道をつくって前に進めるかという施策展開が市長自身、弱いことを露呈していませんか?どの施策がどれだけ目標に結びついたのかを評価してないんですか?その結びつきをしっかりとしなければ、あれもこれもとやみくもに「様々な施策」を増やすだけになってしまっていませんか

 その結果、職員は、どれだけ頑張っても、その仕事の成果を実感できず、疲弊するだけです。同時に市民との距離間もどんどん離れていくのではないですか。このような状況が「挑戦をやめない!ひらかたを前へ!」の真実ではないですか。

 

 

一人ひとりが笑顔、ひらかた万笑!

 

 今回は決算審査ですから、市長選挙に絡めて、令和4年度どのように仕事をしてきたかの真実に迫りたいとの思いで質疑を行いました。「誤解を招く」数字を出して、市長選挙に当選してしまったのではないかということを知って頂きたかった。市民の一人ひとりを本当の笑顔に!異常値に気付かないことは大問題です。本日の私の他の質疑項目については、明日以降順次公開します。

 

 
ばんしょうの視点② 「枚方の人口の現実」

伏見市政【2015〜2022年(7年間)】で総人口9,500人減
0〜14歳6,690人減、30〜49歳17,642人減

 枚方市の人口構造はいびつになって行き続けています。伏見市政の2015年から2022年(7年間)で総人口は9,500人減りました。中でも、0歳から14歳は6,690人減りました。(社会増はあったと市長は強弁されていますが...)30歳から49歳は17,642人減りました。外国人は1,360人増えました。これが残念な現実。

 人口流出を止める戦略が必要なのではないですか?若者が真に何を望んでいるのか、本当に必要なものは何なのか?困っているものは何なのか?をもっと突き詰めていかなくては、「持続可能な福祉社会」は実現できません