枚方市議会議員 ばんしょう映仁です。
2024年6月21日に行いました令和6年6月定例月議会の一般質問の項目1をまとめました。
「終活」「人生会議」を誰もが話し合える環境づくりを!
お一人おひとりが自分自身の生き方を改めて考える機会に!
「終活」「人生会議」を誰もが話し合える環境づくりを!
お一人おひとりが自分自身の生き方を改めて考える機会に!
無縁遺体(死後に引き取り手がいない遺体)が増えている?
6月3日の読売新聞に「無縁遺体3割増」というセンセーショナルな見出しで、「引き取り拒否多く」と小見出しが付き、各地の無縁遺体の取り扱いは死亡者の増加を上回るペースで増えているとの記事があった。
無縁遺体とは、様々な理由で死後に引き取り手がいない遺体のことで、例えば、「親族に連絡がついたとしても遺体や遺骨の引き取りを拒否されるケースがある」とのことで、そうなった場合、遺体は自治体に引き取られることになるが、そのような遺体が長期に火葬されずにそのままになっていたり、火葬後も管轄する納骨堂が満杯になるほど遺骨が溜まってしまうケースもあるようだ。
本市の75歳以上の単身世帯数は、令和2年の国勢調査によると11,696世帯となっており、前回実施の平成27年国勢調査での9,948世帯から1,748世帯増加の約18%増であり、今後も増加が予想される。
そうしたことから、親族など身寄りのいない方がどなたにも看取られずお亡くなりになった場合には、火葬など葬儀にかかる取り扱いをどのように扱っているのか、また過去3年間の取り扱った件数についても聞く。
- 「無縁遺体」5年間で3割増、独り暮らし増加や親類の引き取り拒否広がり…読売調査[2024年6月3日]
身元不明、埋葬拒否、経済困窮の場合、市が葬祭を執行する
令和5年度は計176件を執行
住所や氏名が不明で引き取り手のない方が死亡された際には、「行旅病人及行旅死亡人取扱法」に基づき、死亡地の市区町村長が葬祭を執行することとなり、令和5年度の葬祭執行件数は2件、令和4年度も2件、令和3年度は0件となっている。
また、住所や氏名は判明しているが、死体の埋葬または火葬を行う方がいない場合には「墓地、埋葬等に関する法律」に基づき、死亡地の市区町村長が葬祭を執行することとなり、令和5年度の執行件数は3件、令和4年度は2件、令和3年度は3件となっている。
さらに、保護の実施機関が葬祭を執行する者に対して、生活保護法に基づく葬祭扶助を適用して執行する場合がある。適用する対象者は、生活保護の受給者や生活保護受給者以外の方が死亡した場合に、本来、葬祭を執行すべき扶養義務者が経済的に困窮している場合などに適用して行うことがある。執行件数は、令和5年度が171件、令和4年度は144件、令和3年度は154件となっている。
枚方市が葬祭を執行したのは死亡者の約4%
枚方市が葬祭を執行した件数の合計は令和5年度176件とのことでしたが、本市の死亡者の割合でいうと約4%になりますので、少なくない件数です。
・死亡者数(暦年)
・市が葬祭を執行した件数(年度)
自分自身の生き方を改めて考えることは笑顔の人生につながる
経済的に困窮していようが、していなかろうが、「終活」「人生会議」を誰もが日常的に話し合える環境づくりは、高齢者、単身者ということにとらわれず、幅広い方々、お一人おひとりが自分自身の生き方を改めて考えるきっかけとなり、笑顔の人生をおくることに繋がると考えます。
横須賀市「わたしの終活登録」・神戸市「エンディングプラン・サポート事業」の導入を要望
そして、そのような環境づくりを進めるために、私としては1年前に、横須賀市の「わたしの終活登録」という死後事務委任に相当する制度を枚方市でも導入できないかと要望しました。また、神戸市でも(横須賀市でも)ひとり暮らしで頼れる身寄りのない低所得の高齢者向けに葬祭事業者との生前契約を支援する「エンディングプラン・サポート事業」がスタートしており、すでに多くのメディアでも取り上げられています。市民の将来、市役所の将来を考え、推進頂きたいと要望しました。
今回の質問は、死後に引き取り手がいない無縁遺体。それぞれの方が生前思っていたように弔われるよう、それぞれの方が事前に考えをまとめておくため「終活」「人生会議」を強化していくべきと考えます。今も未来も死後も笑顔に!