令和6年9月議会 一般質問4.公益通報者保護制度について「枚方市の内部通報制度も兵庫県と同じ。」

枚方市議会議員 ばんしょう映仁です。

 2024年9月13日に行いました令和6年9月定例月議会の一般質問の項目4をまとめました。

枚方市の内部通報制度も兵庫県と同じ。それではいけない。

 

 

 

 

 

4.公益通報者保護制度について

トップや幹部が、自分の都合に良い解釈で事実を捻じ曲げられない仕組みの構築が必要だ!

①ばんしょうの質問

公益通報者を保護しなかったという、あってはならないことが起こっている!

 一連の兵庫県政の混乱で、日本全国で注目されることになった公益通報者保護制度ですが、組織において、通報がきっかけとなって、違法・不当行為やコンプライアンス違反が是正されるならば、大いに活用されるべき制度だと考える。

 公益通報者保護法により公益通報ができる先は「内部通報」「行政通報」「報道機関などへの外部通報」の3つに分類できるようですが、今回は市職員の「内部通報」に絞って質問する。

 私としては、自治体職員が「自らの自治体をよくしたい」という思いを持って、この制度を活用したにも関わらず、結果として自らの命を絶つことがありました。自治体のトップがどんな人であったとしても、そんなことがこの世にあってもいいのかと思ったし、枚方市では絶対にあってはならないという思いで、この制度を運用する仕組みに欠陥があるのではないか、それは、兵庫県でも枚方市でも存在するのではないかという観点で質問します。

市長は、兵庫県で起こっていることについて現在どのようにお考えか?

 他の議員が、制度概要や周知について質問されたので、まず単刀直入に市長に伺う。私の思いは今述べましたが、市長は、兵庫県で起こっていることについて現在どのようにお考えか?
 

 

 

 

① 市長の答弁

公益通報に当たるか、通報の取り扱いなどにより深い検証が必要と考える

 兵庫県での事案については、報道を通じて知る範囲ではあるが、職員からの通報が公益通報に当たるかどうかの判断とそのプロセス並びに首長の不正、反倫理行為等に対する通報の取扱いについて、より深い検証が必要と考える

 

 

 

②ばんしょうの質問

問題の根本は知事が結果的に、公益通報者保護制度を軽視したことにあると思わないのか、市長の考えに疑問!

 「深い検証」は、誰が、どうやって、いつまでにするものなのか。報道では、既に県議会議員全員が知事に辞職を求めています。その問題の根本は知事が結果的に、公益通報者保護制度を軽視したことにあると思わないのか、市長の考えには疑問を持った

本市の内部通報制度は、兵庫県と仕組み上同様の状態なのか確認したりしたのか?

 では、市長に違う聞き方をするが、もしも、兵庫県での公益通報者保護制度の活用方法に課題があると考えたのなら、その課題について、本市では仕組み上同様の状態なのか確認したり、その対策について検討するよう部下に指示されたりという対応はしたのか?

 

 

 

 

② 市長の答弁

兵庫県の事案を受けて、適切な運用が図られていることを確認した

 本市では、公益通報者保護制度を踏まえ、本市独自の「内部通報制度」を整備しており、兵庫県の事案を受けて、所管部署から運用状況について報告をさせ、適切な運用が図られていることを確認した。

 

 

③ばんしょうの質問

「うちは大丈夫。総務部長が大丈夫って言ってたから」それで大丈夫なのか??

 「うちは大丈夫。総務部長が大丈夫って言ってたから」そういう答弁はまずい。市長に自分ごとで考えて欲しい。自身で市長の倫理条例を制定する人間で、優れた倫理観がある自分は大丈夫と考えておられるかも知れないけど、ずっと伏見さんが市長を務める訳でもない。

 

本市のこれまでの内部通報制度の活用状況は?

 次は、担当部長に聞く。

 本市のこれまでの内部通報制度による通報件数や内容の推移、および通報後の対応状況について、伺う。

 

③市の答弁

平成21年度から、7件について内部通報として処理している

 平成21年度に内部通報制度の運用を開始してから、7件について内部通報として処理している。そのうち6件は通報の事実を確認できた事案で、審査の内容を市長や関係する任命権者に報告し、必要な措置にまでつなげており、残り1件は、通報内容の事実確認ができなかった。

 
 
④ばんしょうの質問

内部通報件数、枚方市:2年間に1件程、兵庫県:3.6件(年度平均)、大阪府:28件(年度平均)

 本市の内部通報件数は、2年間に1件程だということでした。ホームページで見ると、兵庫県は令和元年度から令和5年度の年度平均3.6件大阪府では、受理した通報の概要も含めて、件数を公開しているが、同様に年度平均が28件程だった。大阪府と比べると枚方市は少なめと言えるかも知れない。とはいえ、通報があったものについては、答弁では、丁寧に対応してきたとのことだった。

 

枚方市は通報者が安心して相談できる体制なのか?

 では、通報者が安心して相談できる体制なのかについて、掘り下げて聞かせて頂く。

 1点目は、本市の内部通報制度では、通報があった場合、その内容が具体性・真実性がある程度高いと認められる場合に調査を行うことになるようだが、この判断を誰が行うことになるのか?

 2点目として、もし、具体性・真実性が低く、調査を行わないとした場合はどのような対応となるのでしょうか?

 3点目として、外部専門家(第三者)の活用はどのように行われるのか?

 最後に4点目として、市長への報告はいつどの時点で行い、意見を求める仕組みになっているのか?

 以上4点を聞く。

 

④市の答弁

調査をするかどうかの判断は、総務部長が行う。

 通報があった場合に調査をするかどうかの判断は、本市制度では総務部長が行い、具体性、真実性が低いと判断した場合は、その旨を通報者に伝えることになる。

 また、外部専門家の活用については、通報窓口を弁護士事務所にも設けて、弁護士に対応をお願いするとともに、通報事実に係る審査会の委員として、弁護士、大学教授、医師に委嘱している

 なお、市長への報告のタイミングにつきましては、事案の重大性にもよりますが、通常は審査の終了段階としている

 
⑤ばんしょうの質問

 兵庫県の場合、外部に窓口を設置していなかったことも公益通報者を守れなかった原因の1つだという記事も読みました。枚方に設置されているとのことで、その点では安心した。

 

非常に重要な意思決定をするのが市の幹部で、調査するのがその配下の部署だという点では、枚方市も兵庫県と仕組みは変わらない。

 ただ、公益通報者保護制度の対象になるかどうか、また受理後の調査を総務部で行うことを考慮すれば、内容によっては、非常に重要な意思決定をするのが、市の幹部の一人である総務部長だということになるので、都合の悪い通報をトップが葬ったと疑いを持たれかねないのではないか。そして、1つ間違えば、兵庫県と同じことが起こると考えられる。

市長に対しての公益通報では市長はそのことを、いつ知ることになるのか?

 では、市長に対する公益通報の場合はどのような流れになるのか、市長はいつ、誰からどのように知ることになるという仕組みになっているのか?

 

⑤市の答弁

市長が調査を受ける段階で、通報対象とされていることを知ることになる

 市長が通報の対象となった場合につきましては、市長が調査を受ける段階で自身が通報対象とされていることを知ることになるなお、通報事実の当事者である市長が当該通報事実の審査に関与することはできないので、審査の結果としての報告がなされる段階で、その結果を知ることになる。

 
⑥ばんしょうの質問

総務部長と市長、副市長がどのように行動するか、その部分においては、兵庫県と同じ仕組みになっていることに、私としては危惧します。

 この場合、審査結果は内部通報審査会に委ねられるので、市長が関わらないとのことですが、通報に具体性・真実性があるかどうかを市の幹部である総務部長が判断し、あるとすれば、総務部長以下が市長にヒアリング含めて調査を行うとのことで、その際に市長は知ることになる。その後、総務部長と市長、副市長がどのように行動するか、その部分においては、兵庫県と同じ仕組みになっているのではないかと、私としては危惧します。

 

市長は内部通報制度の運用に課題を感じたか?

 最後に市長に聞きますが、本市の内部通報制度への課題は感じたか?課題があれば、対応策を指示される考えはあるのか?

 

⑥ 市長の答弁

通報者が安心して通報できることを第一に、適正な制度運用に取り組むよう、改めて指示した

 本市内部通報制度は、気づけていない組織内の違法や不正、反倫理行為を広く把握するための重要な制度であり、制度運用の所管部署に対しては、通報者が安心して通報できることを第一に、適正な制度運用に取り組むよう、改めて指示した。

 
 
ばんしょうの視点

総務部長の倫理観に大きく依存する仕組み、兵庫県と変わらない

 現在の内部通報制度では、市長の言うような適正な運用をするためには、総務部長の倫理観に大きく依存せざるを得ません。仕組み自体は、兵庫県とほとんど変わりません。本当にこのままでいいのでしょうか。

 生身の人間のやることですし、人の倫理観や真摯な姿勢で人と向き合い続けられるかということに、限界も感じます。一方で、例えば、トヨタ自動車の豊田会長は、認証不正問題が発覚した工場を訪れたとき、従業員を集めて「この中に告発された方がいらっしゃると思います。ほんとうに言ってくれてありがとう」と話したと報道されています。この言葉に、私は「組織のトップは、会社をよりよくしよう、社会をよりよくしようという姿勢で物事に向き合わなければならない」と強く感じました。しかし、選挙や株主総会で選ばれたからと言って、世の中の組織のトップ全員が、常にそのような姿勢でいられないことは歴史が証明しています

トップや幹部が、自分の都合に良い解釈で事実を捻じ曲げられない仕組みの構築が必要だ!

 トップや幹部が、公益通報者保護法の本来の主旨を軽視し、自分の都合に良い解釈で事実を捻じ曲げられない仕組みに変えなければならないと私は考えます。「組織を憎んで人を憎まず」です。

 兵庫県では、あってはならないことが、現実に起こりました。枚方で同じことが起こらない仕組みづくりを早急に検討して頂きたいです。この制度が、内部の一部の人ではなく、仕組みによって適切に運用されることにより、違法・不当行為やコンプライアンス違反が是正され、本市がよりよいまちになる、結果的に、市民が笑顔になるまちづくりをすべきだと強く要望しました

 

 

 

 

一人ひとりが笑顔、ひらかた万笑!

 

 

 今回の質問は、現在話題の公益通報者保護制度。特に兵庫県で起こった内部通報時に通報者を探し出し、処分するという異例の取り扱い。枚方市の制度と兵庫県とを比較してもほぼ同じ仕組みであり、同じ結果が起こる可能性もあります。早急な改善を求めました。この制度が、仕組みによって適切に運用されることにより、違法・不当行為やコンプライアンス違反が是正され、本市がよりよいまちになる、結果的に、市民が笑顔になるまちづくりをすべきです。