枚方市議会議員 ばんしょう映仁です。
2024年11月26日は、「市民福祉委員協議会」を控室にて聴いておりました。
なお、「市民福祉常任委員委員会」の所管は、市民生活部、健康福祉部および市立ひらかた病院に属する事項となります。
冒頭、副市長からは、翌日、11月27日に「ひらかた健活フェスタ」を開催、今年度は「SPRING(スプリング)ひらかた」で進めて来られたプログラムも出展されるので注目してほしいとのことでした。
今回の市民福祉委員協議会の協議案件は7件でした。
少子高齢化の進行や、情報化の進展などの社会情勢やライフスタイルの変容等により、様々な地域生活課題が顕在化する中で、本市では誰もが住み慣れた地域でいつまでも安心して自分らしく健やかに暮らせる「地域づくり」をめざしています。その実現に向け、地域における保健・医療・福祉・教育等のサービスや住環境などの整備について、サービスの利用者である住民の立場にたち、総合的・計画的・横断的に推進するために「枚方市地域福祉計画(第5期)」の策定を進めており、この度、計画の素案について、報告する。
第5期地域福祉計画では、第4期の基本理念を引き継ぎ、新型コロナウイルス感染症拡大により希薄化した「人と人、人と地域のつながり」を再び結び付け、顔の見える関係を構築し、誰もが取り残されることなく支え合い、誰もが安心して暮らせるよう取組を実践します。
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いつまでも安心して暮らせる地域
困りごとが生じた際に「誰もが身近に相談できる」体制が整い、役割分担等を相談し解決に向けて支援が行われる。 -
住民一人ひとりが活躍できる地域
誰かがではなく、一人ひとりが主体性を持ち、地域活動が発展する地域を目指す。 -
個人を尊重し合える地域
参加支援や福祉教育の充実により個性や違いを認め、個人を尊重し合える。
令和6年(2024年)12月 | 計画素案について市民意見聴取の実施 | |
令和7年(2025年)1月 | 枚方市社会福祉審議会地域福祉専門分科会より答申 | |
3月 | 枚方市地域福祉計画の策定 |
各委員の質疑・意見(要旨)
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策定業務委託料240万円とは?
⇐ 他市の情報収集、アンケートの実施、計画製本など計画の策定補助を委託している。計画は市が主体的に、審議会のご意見を反映しつつ、進めている -
国では令和4年に第2期基本計画が策定されており、成年後見制度などがクローズアップされているが?
⇐ 国の権利擁護制度を包含している。任意後見制度の認知度が低いことが課題であり、対策を専門分科会にて調整している -
福祉施策と交通との関わりが重要なのでは?
⇐ 交通に関して具体的な取り組みは掲載されていない。市のすべての計画と調和取りながら進めていきたい -
身近なところでの相談支援を求める声への対応は?
⇐ ICTを活用することによる新しい地域拠点を構築し、そのような声に応えていきたい
高齢者が可能な限り住み慣れた地域で、自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、また、今をより良く自分らしく生きるために「終活」はとても重要なこと。
本市では、現在、誰もが「終活」を始めることができるよう「エンディングノート」を作成し、普及啓発に努めている。また、もしもの時に備え、自らが望む医療やケアについて前もって考え、家族や医療・介護の専門職など、身近で信頼のおける方々と繰り返し話し合い、共有するための「人生会議(ACP:アドバンス・ケア・プランニング)」についても、令和3年度に「人生会議まるわかりガイド」を作成し、積極的に実施していただける環境整備をめざし、切れ目のない在宅医療と介護の提供体制の構築に向けた関係機関との連携強化に努めている。
このたび、取組を進めるうえで生じている課題の解消のため、「エンディングノート」や「人生会議まるわかりガイド」の統合・再編や、新たに医療や介護の専門職を対象とした「専門職向けACP(人生会議)実践の手引き」の作成・発行などを通して、更なる取組の推進を図る。
市民一人ひとりに、身の回りのものの整理や相続の準備、葬儀や埋葬方法などについて考えていただけるよう、また、これまでの人生をゆっくりと振り返り、残された時間で出来ることを把握してもらい、これからの人生をより豊かに、有効に使っていただけるよう「終活」の普及啓発に努めている。
本市では、枚方市医師会と連携し、平成31年度に在宅看取りの内容を中心とした「エンディングノート」を、令和3年度には「終活」の一環として取り組んでいただく「人生会議」の普及啓発を目的に「人生会議まるわかりガイド」および「人生会議記録用紙」を作成しました。また、あわせて定期的に「終活」に関する講演会を開催する等、「終活」を始めるきっかけづくりとなるよう広く普及啓発に努めてきた。
しかし、普及啓発を進める中で、両冊子の内容や記載欄が重複していることで使いづらいことや、A4版の大きな冊子であることから保管場所や持ち運びに困るなどの意見をいただいており、更なる改善が求められていた。
「エンディングノート」「人生会議記録用紙」を統合、令和7年2月頃に市内全戸に配布する
これまで使用していた「エンディングノート」のご記載いただく部分と「人生会議記録用紙」の両冊子を、「枚方市版終活ノート『わたしの思い手帳』(以下、「わたしの思い手帳」という)」として統合・再編する。
「わたしの思い手帳」は、初めて「終活」に取り組む人が記入しやすく、また、「人生会議」における話し合いでも活用しやすいものとなるよう、必要最低限の項目と記録しやすい選択方式とする。なお、大きさをA6サイズとすることで、お薬手帳等と一緒に保管していただけるようにする。
また、「わたしの思い手帳」を活用する時に役立てていただけるよう、「エンディングノート」の看取り等に関する読み物部分と「人生会議まるわかりガイド」を、「終活まるわかりガイド」として統合・再編。さらに、今年度は「終活」の更なる周知を図るため、本市で作成する簡易版のエンディングノートである「わたしの思い手帳」に加え、民間事業者との連携により、当該事業者が作成する詳細な「エンディングノート」に「健康づくり」に関する情報を追記した「エンディングノート兼健康情報誌」を作成し、令和7年2月頃に市内全戸に配布する予定としており、広く「終活」の取組につながる支援に努める。なお、本冊子は、民間事業者が広告収入により無料で作成及び配布するものとなる。
今後、統合・再編した「わたしの思い手帳」等や「終活まるわかりガイド」の周知を図り、一人でも多くの方が「終活」に取り組むことができるよう普及啓発に努める。
各委員の質疑・意見(要旨)
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この冊子の統合・再編の経緯は?
⇐ 若い世代も含めた啓発も一つの目的としていきたい -
11月16日に人生会議の講演会を行ったとのことだが?
⇐ 1部は市民向け在宅看取りから人生会議の重要性、2部は医療者向け働きかけのタイミングなど、どちらも約100名(市民7割、専門職3割)で盛況だったと認識している。参加者アンケートでは、また聞きたいなどとのポジティブな意見をいただいている。地域ごとでもセミナーを実施していっている
「終活」「人生会議」を誰もが話し合える環境づくりを!
お一人おひとりが自分自身の生き方を改めて考える機会に!
「終活」「人生会議」誰もが話し合える環境づくりを!
現在の保健所は、執務スペース等が狭隘であり、かつ、築後60年以上が経過し、老朽化が進んでいます。そのため、枚方市駅周辺再整備にあたり、現在の保健センターを改修して令和7年度中に保健所を移転する計画としており、現在、改修工事を実施していく。また、移転を契機として、市立ひらかた病院及び三師会(医師会・歯科医師会・薬剤師会)の拠点である枚方市医師会館に隣接している立地を生かし、関係機関・団体との連携をより一層深めながら、健康危機事象の発生時には保健所内に枚方市保健医療調整本部を立ち上げ、構成員である市立ひらかた病院や三師会等と協力して保健医療活動にあたるなど、平時・災害時を通じて健康危機管理の拠点となるよう取り組んでいく。
さらに、DXの推進に努め、市民・事業者の利便性向上を図りながら、本市の健康医療施策を効率的・効果的に推進できるような組織のあり方についてもあわせて検討を行い、保健所機能のさらなる強化に向けて取り組んでいく。
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健康危機への対応
- 健康危機事象発生時に保健医療調整本部等として活用できる可動式会議室の整備
- レイアウト変更への柔軟な対応が可能となるフリーアドレス制の採用
- 健康危機管理(災害・感染症など)の拠点として平時からの関係機関・団体との連携強化
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DXの推進
- 保健衛生行政におけるDX推進(電子申請・キャッシュレス決済など)による市民・事業者の利便性向上
- オンライン環境整備による庁内各部署や国・府等とのコミュニケーション機能の充実
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地域保健の充実
- 秘匿性の高い相談(精神保健・性感染症など)のため複数の市民が同時に来所しても安心して個別に対応できる相談室の確保
- 地域保健の充実に向けた地域活動との連携強化
保健所移転経費
《事業費》 約6,300万円
(内訳)
委託料:約3,000万円(検査室・X線機器移設)
工事費:約850万円(電話工事)
備品購入費:約2,500万円(什器)
《財源》 国庫支出金:約50万円
(内訳)
感染症予防事業等国庫負担金[X線機器移設費が対象:負担率1/2]
それ以外は一般財源
保健所移転準備経費
《事業費》 約3.0億円
(内訳)
委託料:約1,200万円(実施設計委託)
工事費:約2.9億円
(建築工事):1.1億円
(機械設備工事):1.2億円
(電気設備工事)::6,600万円
《財源》国庫支出金:500万円
それ以外は一般財源
令和6年(2024年)12月 | 保健所移転に係る補正予算の提出 | |
令和7年(2025年) 3月 | 保健所移転に係る当初予算・財産取得議案の提出 | |
5月末 | 改修工事の完了 | |
7月 | 枚方市保健所の移転 |
各委員の質疑・意見(要旨)
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保健所に来られる市民はどれくらいおられるのか?
⇐ 狂犬病関係1万件以上(7割は動物病院に委託しているので来られていない)など。郵送手続きなど駅から遠くなることについて、影響は最小限にしていきたい -
駐車場利用料金は?
⇐ 市民に不利益にならいように検討したい -
プライバシーに関わる秘匿性の高い相談スペースは?
⇐ 今後、検討していく
今日の市民福祉委員協議会では7案件。今回の委員協議会で気になったのは、「終活」「エンディングノート」の取り組みです。「エンディングノート兼健康情報誌」を作成し、令和7年2月頃に市内全戸に配布する。高齢者だけでなく、あらゆる世代が、自分自身の生き方を考えるきっかけとなるかということは先進的施策になっていくのではないかと考えており、今後も注目していきます。これらは、枚方市民一人ひとりを笑顔するという思いでの取り組むのかどうかが、鍵を握るとも考えております。